HDDの基板交換にチャレンジしてみた

HDDが突然故障

先日、家にあるHDDの一台が突然読み書きが出来なくなりました。症状は良くある磁気ヘッドの故障で、”カッコン、カッコン”という異音を出すといったタイプのものでは無く、全くスピンアップしない(内部の円盤が回転を始めない)& 認識もしない といったものでした。

ちなみに該当のHDDの型番はシーゲイトの”ST2000DM001”ネット界隈では過去から故障発生率が非常に高い鬼門とされているモデルです。そういった情報もあり、幸いこのHDDには大したデータは以前から入れておらず大きな被害はありませんでした。まぁ、自分の場合、使用時間も2万時間近くあった気もするので単純な寿命とも言えなくはないですが。

基板交換を試してみる

大したデータは入ってなかったとは言っても、壊れたのは正直少し悔しい。

先ほどまで問題なく動作していた(たまたま数時間前に行ったS.M.A.R.T情報も異常無しだった)ので、内部のディスクや磁気ヘッド・モーター部分にはおそらく異常はなく、制御基板側に何らかの故障が生じた可能性が高いと推測できます。(制御基板に不具合があると内部で起動できずHDDは回転を開始することが出来ません。)

そこで今回は”転んでもただでは起きぬ”という精神のもと、ダメ元でHDDの(制御)基板交換にチャレンジしてみたいと思います。

HDD基板の確認

って事でまずはHDDの基板を確認。

ここが基板部分。この基板の、

下部に基板の型番が表記されていました。基板交換時には同一型番の基板が必要なのでメモっておきましょう。

トルクスドライバーを使いネジを外し基板を取り出しました。ちなみにこの機種の場合はT6サイズが適合します。

ネット上で情報を調べてみると、この基板の場合、この赤丸のチップがEEPROM(LE25FS406)の様です。

このチップ内に各HDDの固有情報や起動するための情報(ファームウェア)が書き込まれていますので、基板を交換する際にはこのEEPROM内の情報をROMライターで読み取り、交換先のHDDの同チップに書き込んでやる必要があります。つまり基板の故障でも単純に基板を交換するだけでは残念ながら動作しないのです。

(一昔前(2010年位まで)のHDDは基板故障の際は、ドナーHDDから単純に基板を交換してポン付けするだけで良かったのですが・・・、近年のHDDは無理な様です。)

ドナーHDDを準備

って事で、ちょっと苦労しましたが、どうにか同一型番が搭載されているドナーHDDを準備しました。

おおまかな作業工程としては、

1.両方のHDDの基板上のEEPROM内データをROMライターを使用してそれぞれ読み込み&バックアップ

2.故障したHDDの基板上のEEPROM内のデータをROMライターを使用してドナー側の基板上のEEPROMに書き込み

3.ドナー側の基板を故障した側のHDDに取り付けて動作確認。

といった感じですかね。

ドナー側のEEPROMのバックアップ

では、まずはドナー用HDDのEEPROM内のデータを吸い出してバックアップをします。ROMライターを用意しましょう。自分の所有しているものは安価な定番のROMライター”CH341A”です。こいつはBIOSアップデートの失敗等で起動しなくなったパソコン等の復旧時にも使えますので、自作PCジャンカーなら一つは持っておきたい所。

今回読み込むHDDのEEPROM(LE25FS406)の駆動電圧は1.8Vなので電圧も必ずそれに合わせて下さい。(機種によっては別途電圧変換の下駄が必要ですが、このROMライターの場合、スライドスイッチで供給電圧を変更できるので非常に便利です。)

ROMライターにクリップケーブルを繋ぎ、向きに注意してEEPROMをクリップで挟みます。(赤い色が付いている側のピンが1番ピン側です。)このクリップの挟み込みの位置は結構シビアなので上手く読み込めない場合は何度かリトライしましょう。

接続後、PC側から専用ソフトを使用してEEPROMの内容を読み込みます。読み込み後、念のためベリファイ作業も行う事を推奨します。

ベリファイ後、読み込んだドナー用HDDのEEPROMデータは後でリカバリできるようPC上に必ず保存しておきましょう。

故障側のEEPROM読み込みでトラブル発生

ドナー側のEEPROMデータは無事に読み込めたので、次に故障した側のEEPROMデータを読み込もうとした時にトラブル発生。このチップをクリップで挟んだ途端に、なぜかROMライターがWindows側から認識されなくなります。(クリップを外すとWindows側からまた認識される。)

当然、認識されないのでEEPROM内の読み込みもできません。

最初は取付方が悪いのかもと何度も繰り返していましたが、数十回繰り返しても改善しません。

もしやと思い、一旦テスターで色々調べてみる事に。

データシートを頼りにEEPROMの4番ピン(VSS)と8番ピン(VDD)の抵抗値を測ってみた所、抵抗値が異様に低い状態になっており、これは内部がショートを起こしている状態でした。つまりこの故障した側のEEPROMは既に死んでいた状態だったのです。EEPROMのデータが読み込み出来なければ、ドナーのEEPROMにデータを移植する事は出来ませんので完全に詰みです。

何らかの他の制御チップの故障と推測していたのですが、よりによってこの肝心のEEPROMがピンポイントで故障していたという訳です・・・・・

諦めがついた

って事で、今回の実験は失敗です。故障したHDD側のEEPROMさえ生きていればおそらく理論上HDDの復旧は出来たはずですが、世の中そうは上手くいきませんね。しかし、復旧が無理な事が完全に分かった事で諦めも付きました。今回の経験は今後に活かしたいと思います。

今回はここまで。では、また。

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Author: Naokit

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