我が家のPC-9821はFM86音源非搭載
2年程前にフリマサイトで購入し、過去のこのブログ記事で修理・メンテナンス作業をいくつも紹介してきた我が家のPC-9821V200。このPC-98(PC-9821)シリーズはかつてWindowsが登場する前のMS-DOS時代には”国民機”と呼ばれる程、国内で長期に渡り圧倒的なシェアを誇っていた名機です。
ところが、仕様が独自のアーキテクチャであった事が仇となり、Windows登場以後は世界標準のAT互換機の波にのまれてしまい終焉を迎える事になります。ただ、MS-DOS時代の専用ソフトの資産は5000本以上はあるとされ、今でも愛好家の方は多く存在します。
私、NaokitもかつてのPC-98専用のゲームを遊びたいがためにこのマシンを購入・修理した訳ですが、このマシンにはある欠点があります。
それは、FM86音源非搭載機であるという事です。
FM86音源とは
(↑PC-9801-86音源ボード:画像はネット上から拝借)
FM86音源とは周波数を変化させ電子的に様々な音を作り出す音源ボードの事です。PC-98全盛期のMS-DOS時代の頃はこのFM86音源ボード(PC-9801-86等)が多くの機種で採用されており、事実上業界標準となっておりました。つまりこのFM86音源ボードが無い場合、PC-98専用MS-DOSゲームをしても全く音楽が流れないのです。
前述した私Naokitが所持している機種(PC-9821V200)は、Windows世代の機種であるためPCM音源と拡張FM音源(FM86音源とは似て非なるもの)しか搭載されておらず、このFM86音源は標準搭載されていないのです。
それなら、FM86音源搭載機種を買うか増設用FM86音源ボードを買えば良いじゃないかという事になりますが、問題なのはこの”FM86音源がかなり入手困難”である事です。FM86音源はある意味PC-98シリーズを象徴するものであるため需要も多く、かつ古いものであるため故障も多く、完動品だとこのブログ執筆時点で3万円~5万円程と大変高価になっているようです。
OPEMでFM86音源を再現できる?
さて前置きが長くなりましたが、そんな折先日ベクターのサイトでとあるフリーソフトを発見。それが”OPEM”です。
なんとこのソフトを使用すれば実機のPCM音源でFM86音源をエミュレートして発音させる事が出来るプログラムとの事です。これはスゴイ。
エミュレートなので不具合は多いかも知れませんが、それまで無音だったゲームに音楽が鳴らせられるようになれば楽しさも倍増するというものです。
まぁ、ちょっとエミュレータに詳しい方なら、”単純に現行WindowsマシンでPC-98エミュを使用すればFM86音源も含めて簡単にエミュレート出来るじゃん” と言われるかも知れませんが、そこは実機で音を鳴らしたいという男のロマンなのです!
実機でOPEMを試してみるが・・・
って事で、MS-DOS(ver.6.2)上からマニュアルに習いOPEMをインストールしプログラムを実行してみます。
事前準備として、このソフトは拡張メモリ空間を使用するためMS-DOS上のメモリ管理ドライバであるHIMEM.EXEとEMM386をCONFIG.SYSに記述します。
この辺は現在のパソコンでは無い概念なのでMS-DOSをいじった事が無い人だと意味が分からないかも知れませんね。
MS-DOS起動後コマンドを入力し自動認識モードのコマンドでOPEMを実行。・・・・が、プログラムは常駐することなくエラー表示も出ずにこの画面のままマシン本体がフリーズします。
その後、サウンドボードのINT番号(自分の環境の場合は5番)、空きDMAポート番号が自動認識されないのかと思い、マニュアルに従い手動でオプションスイッチを色々総当たりで変更しながら入力しOPEMを再実行するも全てフリーズ。
コマンド例:OPEMW S -WI5 -WD3 (←INT5番ポートのサウンドカード、DMAチャンネル3番で使用)
原因は意外な所にあった
その後15時間近くこの問題と格闘するもフリーズ問題は解消されず。30年近く前のソフトであるためネット上に情報も全く見つからず、諦めかけていた所、
なんと原因発覚。どうやら当時のNECのMS-DOSでは先述したメモリ管理ソフトであるEMM386実行時に” / DPMI ”オプションを記述してにDPMI機能を有効にしていないとこのソフトは動作しない事が判明。この点についてはOPEMマニュアル等にも記載がなかったため気付かずに長時間詰んでいました。(AT互換機用のMS-DOSやフリーソフトのメモリ管理ソフト”VEM486”等では標準でこの機能は有効になるようなので、完全に盲点でした。)
って事で、CONFIG.SYSを修正しMS-DOSを再起動した後、OPEMを再実行すると今度は見事に常駐成功。やりました!
各種ゲームを遊んでみる
ではOPEM常駐後各種MS-DOSゲームを遊んでみましょう。
TOME様作の”VOLLEY BALL 2on2”。フリーソフトのバレーボールゲーム。キャラも多く各キャラ毎の必殺技もあり楽しめます。
肝心のFM86音源の再現性はバッチリです、違和感なく楽しめます。
KEMESIS。同人ソフト。グ〇ディウス風のシューティングゲーム。音は出ているのですが、音楽がなぜか超高速になってしまいます。
自分のマシンが当時としては高速なMMX Pentium200Mhz搭載機による弊害なのでしょうかね。
当時大人気だった18禁恋愛シミュレーションゲーム”下級生”。当時16色でこのグラフィックの書き込みは皆度肝を抜かれたはず。
ちょっとノイジーで音が変ですが一応音楽は出ています。
RPGツクールDANTE98の受賞作品”コープスパーティ”。後にコンシューマー機にもリメイク移植されているホラー作品の名作。これはタイトル画面の後ゲームを始めようとするとフリーズ。OPEMを常駐解除するとゲームは起動するので相性問題で起動できないのでしょうかね。残念。
なかなか使える
ゲームにより動作しなかったり再現度が低い事も多いですが、FM86音源非搭載の機種で音楽が出る感動は大きかったです。再現度が低くとりあえず音楽が出ているだけでも、無音で遊ぶよりは臨場感が全然違いますし楽しいです。
Windowsマシン全盛の令和の現在においてこの記事やこのソフトの需要がどれだけあるかは分かりませんが、自分にとっては大きな意味があったので今後も個人的にPC-98を精一杯楽しんでいこうと思います。
って事で、今回はここまで。では、また。





















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