MO起動で運用したい
前回、PC-9821にSCSIケーブルでMOドライブを接続し無事認識もされたことを確認しました。
PC-9821をはじめとするPC-98シリーズの特徴として、FDやHDDだけでなく、このMOドライブからシステムを起動して運用する事も可能となっているので今回はそれにチャレンジしたいと思います。
MS-DOSベースではこれがかなり便利な様で、MOディスク毎に色々なバージョンのMS-DOSを導入して、それぞれゲーム用やビジネスソフト用のアプリを導入し環境に応じて使い分けていた方もいたようです。
ただ、自分の場合はMOドライブはWindows98時代位に初めて購入し、MS-DOS環境では使用したことが無かった為、その辺は初めての経験となります。
MOディスクの容量
MOディスクをMS-DOS環境で扱う場合は、容量に気を付けなければいけません。
まず、前提としてMOディスクには128MB~1.3GB位まで様々な容量のものがあります。Windows環境で使うのであれば単純にドライブが対応している最大容量のものを使用すれば良いと思いますが、MS-DOS環境で使用する場合はOS側で大容量のMOは認識されなかったりドライバが別途必要になったりするので、128MBもしくは230MB位がベターな様です。
って事で今回は230MBを使用します。
フォーマットが出来ない?
それでは、まずは230MBのMOディスクをPC-98用にフォーマットしていきましょう。
では、手元にあるMS-DOS5.0のFDからPC-98を起動してFORMATコマンドを実行します。
メニュー上に”3.5インチ光ディスク”の項目があるのでそれを選択します。
起動ディスクにするために、システムを”転送する”を選択。後は”実行”を選択すればフォーマット開始・・・
・・・・と思ったら、なぜかエラーでフォーマット出来ません。
容量が問題かもと思い、小容量の128MBのMOディスクでも試しましたが同じエラーが出て先に進めません。
うーん。何でだろ。
MOフォーマッタを使用
ネット上をしばらく調べてみると、MOドライブの各メーカーがMS-DOS用の専用MOフォーマッタを提供している様でダメ元でそれを試してみる事にしました。
MOシリーズ サポートソフト
https://www.iodata.jp/lib/software/m/355.htm#MS-DOS
↑今回はIOデータ様のこのソフトをダウンロードさせていただきました。IOデータ様ありがとうございます。
ダウンロードしたデータ内のMS-DOS用のフォーマッタソフト”MOUTL.EXE”を起動。
うちのMOドライブがオリンパス製だったのでうまくドライブを認識してくれるかどうか不安でしたが無事認識している様です。
メニューから”フォーマット”を選択。
フォーマットメニューが表示されるので、項目を”物理フォーマット”、”システム転送する”にして”実行”します。
お、今回はエラーも出ずあっさりとフォーマット出来ましたね。システムの転送も無事されたようです。
うーん。さっきのMS-DOS上のFORMATコマンドからフォーマットが出来なかった理由は不明ですが、まぁ、いいか。
MOからMS-DOS起動に成功
その後、MOディスクを挿入したままPC-9821を再起動した所、SCSIでMOドライブを認識した後、無事にMS-DOS起動を確認できました。
内部システムコマンド群である”command.com”ファイルもちゃんと確認できますね。後はMS-DOSのFDから必要に応じて外部コマンドプログラムをMOディスク内にコピーしていけばとりあえずMS-DOS運用は可能そうです。
って事で、MS-DOSベースのアプリケーションやゲームを手軽に試す環境が無事整いました。やはりPC-98はMS-DOSベースのアプリ資産が豊富なので、ピュアなMS-DOS環境は必須ですよね。(Windowsの”コマンドプロンプト”ではMS-DOSゲーム類はほとんど動きません。)
また、MS-DOSアプリならば230MBというMOディスクでも十分な容量ですからかなりのアプリを入れられそうです。
今回はここまで。では、また。