ハードオフで発見
いつも通っている近所のハードオフでちょっと変わった怪しいプレイステーション(以下PS1)を発見。
何が怪しいのかと言うとオープンボタンの上辺りに謎のトグルスイッチが取り付けてあります。
詳しい人ならここでピーンと来るかも知れませんが、330円と安価な上にこのブログのネタにもなるので速攻で購入しました。
しかし、PS1の本体のコーナーは普段興味が無く(PS1ソフトはPS2やPS3で下位互換で動作するため)いつもスルーしていたので今回は本当に運命的な出会いでした。
詳しく見ていく
早速家に持ち帰ったので詳しく見ていきましょう。
まず、本体は振ると微妙に”カラカラ”という音がしていました。中で何か部品でも外れているのでしょうか?
本体型番は”SCPH-9000”。旧デザインのPS1の中では最後発モデルですね。
背面は左側にそれまであった外部拡張用端子がありません。
まぁ、公式でこの端子を使う拡張機器は結局発売されませんでしたので特に問題は無いかと。
動作確認
さて、動作確認です。
手持ちのPS1のゲームを入れて電源を入れると、ややCDドライブの動作音は気になるものの無事ゲームが起動しました。
ここで、例のトグルスイッチを”ON”にして改めて再度ゲームを始めてみようとすると・・・・
おや?今度は”ディスクの規格が違う”という事でゲームが起動しなくなりました。
どうやら、トグルスイッチがONの状態だと純正のゲームは起動しなくなるようです。
分解して内部を観察してみる
では、いろいろと内部を調べるために分解していきましょう。PS1は普通のプラスネジで分解可能です。
はい。上蓋を取り外しました。・・・・おや、下側の基板から上蓋に本来はない先ほどのトグルスイッチへ配線がされていますね。
ちなみに先ほどの”カラカラ”音は特に外れた部品も見つからなかったのでこのケーブルが本体に当たっていた時の音の様です。
CDドライブや配線をいくつか外してカバーを取り外すと基板上に配線がハンダ付けされてあるのが確認できます。
基板上への配線はこんな感じ。
今度は上蓋側に付けられているトグルスイッチの拡大写真。
スペーサーなどもちゃんと付けられておりかなり丁寧な仕事されてます。
ネジを外すとこのような感じで基板上に例のトグルスイッチとICチップ(MODチップ)が取り付けられていました。
ここで、種明かしをするとこのPS1はMODチップ取り付け改造が施されたPS1だったという事ですね。
このチップを使用する事により、PS1本体に純正のゲームソフト固有のチェックデータを流し込み、それにより(本体を騙し)バックアップしたディスク等からでも起動を可能にする事が出来るようになるというものです。(トグルスイッチはその機能を一時的にON、OFFするために利用)
バックアップ起動を試してみる
では、このMODチップが動作するかどうか実験してみましょう。先ほどのゲームディスクをPCを使ってCD-Rにライティングソフトを使ってバックアップします。
しかし、光学メディアを焼くのは何年ぶりですかねぇ。最近はメインのPCから光学ドライブ類は邪魔なので全て取り外していましたので、押し入れからノートパソコンを取り出してきて久しぶりにCDを焼きました。
焼き終わったディスクをPS1にセットして、
トグルスイッチをONにして電源を入れると、バックアップディスクから無事起動が確認できました。
うーん。初めて使用したけどこれはスゴイ。
もちろんOFF状態では起動しませんでした。ON、OFF機能も正常に動作しているようです。
不正使用はNG
Copyright © いらすとや. All Rights Reserved.
今回は実験でバックアップ起動を行いましたが、一応注意事項を。
ゲーム機の改造自体や自分の所持している大切なオリジナルディスクを保管しバックアップして起動する行為自体は問題ないと思いますが、自分の所持していないゲームのバックアップディスクを手に入れて遊ぶのはもちろん不正なNG行為ですので注意しましょう。
残念ながら1990年代後半にこのバックアップ起動の不正使用が問題になり、メーカー側もソフトに対策を施したり(RHP:レッドハンドプロテクト)してしばらくの間イタチごっこ状態だった経緯があります。
この個体はそんなゲーム史の黒歴史を語る産物の一つとして大事にしていこうと思います。
初めてコメントいたします
ファミコンUSB電源化の記事を発見して以来、扱うネタや文章の書き方がとても自分好みだったのでサイレント読者しておりましたが今回あまりにも直球なネタでうっかりコメントするに至りました
そういや昔他にも黄金軸とかあったなと単語を思い出して笑いながら楽しく拝見させていただきました
私は本体に穴開ける等直接改造するのは好きではなかったのでMODチップには手を出さなかったのですが、拡張端子を使用するPARの改造版と言いますか
PS-Zなるものを使用してバックアップ起動していたのを思い出しました
懐かしい話です
…ところでこのPSよく買い取りましたねハードオフ
こういうのって買取拒否にならないんですかねぇ
まずはコメントありがとうございます。励みになります。
自分も当時はMODチップにはあまり興味がなく今回初めて使用したのですが、確かに当時は某雑誌等でバックアップ起動方法の記事が流行っていましたねぇ。
改造されたゲーム機はゲーム専門店では買取不可になると思いますが、ハードオフは店舗によってはそこら辺の査定が曖昧な部分があるようで、おそらくMODチップの存在を知らない店員さんが査定して買取したのではないかと思われます。とある店舗では個人製作の用途不明の謎基板とかも販売してますしね(笑)。まぁ、そこがハードオフの面白いところでもあるんですが。