レコードプレーヤーの名機を買って直してみた – GP-3 –

ハードオフで発見

ハードオフでレトロなレコードプレーヤーを発見。かつての昭和時代に大ヒットして近年、復刻版モデルも発売されたコロムビアの名機GP-3です。

幼少の頃、親戚の家で使用されているのを見た事があります。

ファミコンを彷彿とさせる白と赤のデザインが何ともレトロで味わい深いですね(実際にはファミコンより前に発売されているのでこちらが元祖ですが)。

訳ありジャンク品とはいえ値段は、なんと1100円!メルカリ等でも今だに1万円前後~で取引されている人気機種である事を考慮するとかなりお買い得ですね。

これは有難く購入させて頂きましょう。

詳しく見ていく

蓋を開けるとこんな感じ。

上部には取っ手があり持ち運びにも対応。

操作部はスピード調整、電源&音量ボリュームに加え、外部出力端子(モノラルのみ)も搭載。

EP盤の再生用の変換アダプターもちゃんとついていますね。ジャンク品はこれが紛失されている事が多いのでこれは何気に有難い。

ちなみに、この機種、本来は壁掛けして縦置き状態でも再生可能なユニークな機種なのですが、そのためのレコードを押さえるパーツ(レコードホルダー)は欠品してました。残念。

モノラルスピーカーも内蔵しており、これ単体でレコードの再生が可能。

電源はACケーブルの他、電池駆動(単一電池6本)にも対応

この辺が当時としては外出先で気軽にレコード音楽を楽しめるという事で、画期的だったんだろうなぁと思います。

ACケーブルで使用時は電池ブタを閉めた状態でも切り欠きからケーブルをちゃんと外に出すことが出来ます。この辺の作りも丁寧。

テスト再生してみる

それでは、ちょっとテスト再生してみましょう。

用意したのは堺正章さんが主演していた大ヒットテレビドラマ”西遊記”の主題歌である超有名曲、ゴダイゴのモンキーマジックです。

自分はリアルタイムではこのドラマを見た事はありませんが、小学生の頃何度か再放送で見た事があり、とてもハマったのを覚えています。

電源を入れて回転数をセットしアームをレコードに載せようとすると、ターンテーブル回転にかなり違和感が。

↑この様に回転不良のためまともに再生出来ていませんw

これは確実に回転不良を起こしていますな。まぁ一応、音は出ているのでスピーカーやアンプ部は問題なさそうです。

分解して原因を探す

症状が分かったので、分解してみましょう

裏面部の4つのネジを外すと、

簡単に内部にアクセスできます。

一応、メイン基板のコンデンサ等もチェック。液漏れなども無く容量も問題なし。

まぁ、後で念のためにコンデンサは一部交換しておいてもいいかも知れません。

ターンテーブルのモーターの回転も異常なし。内部は特に問題なさそうです

原因はアイドラー不良だった

内部は問題なかったので、表面からターンテーブルを外してみました。

調べた所、どうやら異音&回転不良はこのアイドラーという部品の様です。(円形の回転部品)

この部品がモーターの回転をターンテーブルへ伝えているのですが、この部品の黒いゴム部分が経年劣化で硬化して、回転がスリップする様になり動力をスムーズに伝えることが出来なくなっています。

ちなみにレバーの回転数を変更すると

(↑ 毎分45回転時 径の大きい軸部分に接触)

(↑ 毎分33回転時 径の小さい軸部分に接触)

ちょっと分かりにくいですが、アイドラーが上下し、モーターの回転軸の径の大きさの違う場所に当たる事によりギヤ比が変わりターンテーブルの回転数が変わる仕組みとなっているようです。

なるほどー。

アイドラーを修理

とりあえず、アイドラーを清掃。硬化した回転部の表面を濡れたティッシュ等で磨きます。アルコール等はゴムを更に劣化させるかも知れないので今回は使用を控えました。

あまり効果が無かったので、ピンを外してアイドラーを取り出してみます。

取り出せました。

アイドラーは直径4cm。この部品を交換すればおそらく直るのでしょうが、メーカーに問い合わせても案の定パーツは部品保有期限を過ぎており入手不可との事でした。

これだけの人気機種なので誰か3Dプリンター等で代用品作ってくれませんかねぇ?

ちなみに前述したこの機種の復刻版はアイドラーでは無く、ゴムベルト方式に変更されている様です。メンテナンス的にはそちらの方が簡単そうですね。

さて試行錯誤した結果、今回の修理にはこのダイソーで買った両面テープを使用する事にしました。

この両面テープをアイドラーの側面部の円周にピッタリ切って貼り付けてみました

要はゴムの硬化で回転時に摩擦が減りスリップを起こしているので、この両面テープで摩擦力を回復してやれば改善されるはずです。

再生できるようになった!

結果は大成功!

ターンテーブル回転時の異音もかなり解消され、やや音の揺らぎはあるもののかなりまともに音楽を聴けるようになりました。

著作権の関係上、音楽を再生している動画公開は自粛しますが、あの名曲がこのプレーヤーから聞こえてきたときは感動しましたね~。この機種のスピーカーの音も味があってなかなか良いですね。

12インチ(約30cm)サイズのLP盤も問題なく再生できました。

このサイズだとスピーカー部が隠れてしまうのが難点ですが、十分楽しめますね。

しかし、再生機を手に入れるとレコード盤も欲しくなってきますね。今まではオブジェとしてレコードを買ってきましたが、今後はハードオフで名曲を見つけたら買って行きたいと思います。

・・・って事で懐かしのレコードプレーヤーの名機を格安で手に入れる事が出来ました。今後もメンテナンスしながら大事に使っていこうと思います。

では、また。

Author: Naokit

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