映像の出ない110円のジャンクスーファミを直してみた

ハードオフで購入

ハードオフのジャンクコーナーで110円のスーパーファミコンを発見。

変色はそこまで酷くはないのですが、傾けるとカラカラと謎の音がしますw

隅に割と目立つ本体の欠けがあるので、おそらく前オーナーが落下させる等して本体にダメージを与えていたことが推測できます。

ジャンク理由のコメントが”映像は出ませんが音は出ます”との事。実はこのジャンクコーナーにはすぐ横に330円で普通に動作しそうなスーファミの個体がたくさんあるので、無理にこの個体を選ぶ必要はないのですが、ジャンカーとしては今回は敢えてこの動作不具合品を購入してみました。

動作確認してみる

まずは普通に赤白黄色のコンポジット接続でテレビに接続してみましたが、確かに映像は出ませんでした。

・・・っていうか、自分の環境では音声も出ていませんね。なんか先ほどのコメントより症状悪化してるみたいですw

そこで、今度は試しにRF端子でアナログ放送帯で接続した所、問題なく映像が表示されました。音声も出力されています。

この事から、とりあえずグラフィックとサウンドのユニットは生きていると思われます。

おそらく具体的な問題は”RF→コンポジット”変換の回路間にありそうですね。

分解して原因を探る

具体的な症状が確認できたので、とりあえず本体を分解してみます。

毎回言っていますが、スーファミの本体のネジは特殊ですので分解の際は専用のドライバーが必要です。

 

上蓋を取り外しました。

右上に正方形の取り外し可能なサウンドユニットがある事から、この基板はスーファミの初期の頃の基盤であることが分かります。

ここで本体内部の側面部と前面部等に数か所の欠けがあるのが発覚。本体を傾けると”カラカラ”音がしていたのはこのプラスチック片が原因だったようです。

怪しいコンデンサーを交換

分解を進めて行き、メイン基板部を取り出しました。

 

このメイン基板上の上部の方(AVマルチ端子付近)に6つのコンデンサがあります

上部の小さい2つのコンデンサは音声関連(C65、C66 各10μF)、下の4つのコンデンサ(C57~C60 各100μF)は映像関連のコンデンサです。

見た目上は問題ないようですが、コンポジット関連の映像や音声の出力がうまくいかない時はこれらのコンデンサに問題がある場合が多いので交換していきましょう。

ここで、ちょっとした交換のコツを。この基板上の”表面実装タイプ”の電解コンデンサを取り外すときは、ラジオペンチでこのようにつまみ、

グイっと回せば簡単に上部をねじ切る事が出来ます。

後は下部の黒いプラスチック部分をニッパー等で切って外せば基板上のパターンを傷つけずにキレイにコンデンサが取り除けます。

ハンダごてで取り外すよりはるかに楽ですね。

後はハンダ吸取り線等で余分なハンダやコンデンサの足の残骸を取り除けばOK。キレイになりました。

少々イビツですが、新しい電解コンデンサに交換完了しました。電解コンデンサは極性がありますので逆接続しないように注意しましょう。

ちなみにこのコンデンサは後で回路図を見て知ったのですが、

C57-C58

C59-C60

はそれぞれ回路的に並列に繋がっているだけなので、100μFのコンデンサを4個用意できない場合はそれぞれ220μFのコンデンサを2個で代用することも可能な様です。

まだ画面が表示されない

さて、コンデンサの交換も終わったので仮組して動作テストをしてみましたが、音声は無事出るようになったのですが、まだ映像が全く出ません

ハンダ付けのチェック等も何度も試しましたが問題は無いようです。

ここで手詰まりになってしまったのですが、ネット上で情報を探しているうちにスーファミの回路図をPDFで公開されているサイトを発見しそれを参考させてもらう事にしました。

SFC Development Wiki

https://wiki.superfamicom.org/schematics-ports-and-pinouts

上記のサイトで回路図(ページの下部の方にあります)を手に入れ、テスターで数日に分けて各所の導通確認をしていたところ、

基板表面の”C57の負極側の端子”と基板裏面の”R33の抵抗チップ”の間が導通しておらず、断線している事が判明しました

↑回路図でいうとこの部分ですね。

原因が分かったので、早速該当する両部分をジャンパー線で導通する様にハンダ付けし接続してみます。

無事コンポジット出力可能に!

その後本体を仮組し、再度動作テストをしてみた所・・・・

やりました!!

無事コンポジットによる出力が可能になりました~。当たり前ですがやっぱりRF接続より画像が鮮明に映りますね。

今回の修理は手詰まりになり、一度は諦めながらも時間をかけて直すことが出来たので機種への愛着も自然と湧いてきました。

まぁ、最初に330円の方の機種を素直に選んでおけばこんな苦労はせずにすぐ動作したのかも知れませんし、結局時間的な浪費やコンデンサ交換等の部品代で330円以上の出費になってしまいましたが、そこはジャンカーとしてのロマンなので今回は良しとしましょう!

追記:

回路図を詳しく見て気付いたのですが、どうやら”C59-C60”のコンデンサはS端子の輝度信号用の映像出力に使用されているコンデンサのようですので、コンポジット出力だけで使用を考えているのならこれらの交換は不要かもしれません。

Author: Naokit

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