ジャンクで買ったPC-9821を復活しよう(購入編)

フリマで購入

先日、フリマサイトを閲覧中にかつての国産のパソコンの名機であるPC-98(以下98)が欲しくなり、衝動買いで購入。値段は送料込みで5000円程でした。

購入した機種は98シリーズ後期&衰退期のモデルであるPC-9821 V200S7D2。1997年発売のモデルで今となっては十分なレトロPCです。

Windows95搭載モデルであったため、MS-DOS時代の98の代名詞である”FM86音源”は標準搭載されておらず、やや98らしさに欠ける機種で、残念ながら人気はあまりない機種です。反面その分お値段もお手頃で一部AT互換機の仕様を盛り込んでいるためディスプレイも現在の31khzタイプに標準対応していたり、補修部品も比較的調達しやすい所が長所ですかね。

↓ちなみに以前に過去記事でラズパイでエミュレーターを使用しPC-98のエミュ専用マシンを作った事がありましたが、それに触発されて実機が欲しくなった感じです。

余ったラズパイで98エミュ専用機を作ってみた

詳しく見ていく

今回は購入編という事で、とりあえずジャンク品である本体の状態の確認や簡単なメンテナンスを行いましょう。

まずは、背面の増設ボードを確認。

嬉しいことにCバス用のLANボードと、PCIスロットにSCSIカードが増設されています。まぁ、今回購入を決めたのもこのボードが増設されていたのが大きいです。このボードだけでも元が取れそうな感じです。

本体正面の右側にはフロッピーディスクドライブとCD-ROMドライブ搭載。近年はどちらのドライブも使用されなくなってきましたねぇ。

フロッピーディスクのパネルは取り外し可能で、下部にドライブを増設しパネルを交換すれば2ドライブ構成にする事も可能。

MS-DOS時代は2ドライブ構成が前提のアプリやゲームが多かったので、これはそのうち増設してみたいです。

本体正面左上部には懐かしのMMX Pentiumのロゴが。

マルチメディア向けの命令(MMX)が搭載されたこのCPUは、Windows95世代の当時としてはかなり高性能なCPUです。ただ、この高性能ゆえに旧来のMS-DOS時代のソフトを実行させる際は速すぎたりしてまともに動作しないなど互換性に問題が出る事もあるようです。

まずは清掃を行いながら本体を分解。左下部のハードディスクは取り外されていますが、これは想定内。

ハードディスクのマウンターの下にはCPU&CPUファンが。メンテナンスのために開けましたが、特にホコリも溜まっておらず全体的にキレイな印象。

上部にはSIMMメモリ2枚とDIMMメモリ1枚が挿されているのが確認できます。

最後は本体底面部のゴム足。さすがに経年劣化でどのゴム足も溶けたりしてひどい状態だったので、

ダイソーのクッションスポンジを購入し、それに張り替えました。これで床に置いても傷つける心配が減ります。

電源を入れてみる

それでは電源を入れてみましょう。

・・・の、前にキーボード・マウスの準備。

98専用のキーボード・マウスは昔98を所有していた時に、捨てずに保管していたものがありますので今回はこれを使用。

それにしても捨てなくて良かったぁ。今買うとかなり高いのよね。

では、改めて起動テスト用のフロッピーディスクをセットして電源投入。お、あの懐かしい98の電源投入音である”ピポッ”という音が無事鳴りました!

続いてメモリチェック。96MB程度まで増設されている様です。Windows95程度なら32MBでも快適に動作するとされていますので十分すぎる容量です。

その後はSCSI機器の接続チェック画面が入りフロッピーディスクの読込が始まったのですが、

”システムディスクをセットしてください”の画面で停止し、フロッピーディスク内のOS(Free DOS)が起動しません。

ありゃ?、なんかおかしいぞ・・・・。

原因追及

その後何度かテストしたのですが、フロッピーディスクの読み込み音はするのですが、やはり起動しません。最初はフロッピーディスク側の不良かと思いましたがディスク自体は他のドライブでは読み込めている様です。

トラブル発生に少しガッカリ感はありますが、同時にジャンカーとしてはブログネタにもなりますのでマゾ的なワクワク感も少しあるのが複雑なところw

配線には問題ないので、ドライブを取り出し。型番はFD1231Tという後期モデルに良く採用されているモデルでした。

蓋を取り外し、分解を進めながら各部を点検していると・・・

あっ!、ディスクドライブのヘッド部分から伸びているフラットケーブルに亀裂&断線を発見しました。これが経年劣化によるものなのか、前所有者が何かやらかしたのかは分かりませんが、確かにこれではデータ転送は出来ませんね。理由が分かり少し納得。

・・・・しかし理由は分かったのですが、この修復はなかなか困難です。この部分のみの部品調達は困難ですし、フラットケーブル自身の修復もケーブルがかなり細く自分の技術では残念ながら無理です。

加えて98は基本的にCD-ROMやUSBメモリからのOS起動は不可能なのでフロッピーディスクドライブ(以下FDD)が壊れるとOSインストール等でほぼ詰みます。(例外的にSCSI機器からの起動は可能です)

AT互換機用のFDDを98用に流用

実は98用のFDDは特殊仕様なため、ハードオフ等で比較的容易に手に入るAT互換機用のFDDはそのままでは使用できません

しかし、ネット上でいろいろと調べてみると一部のAT互換機用のFDDは改造する事により98用のFDDとして使用可能になるとの事。これは興味ある。

 

試運転の資料館

https://shiuntenlos.ie-yasu.com/98ma0050.htm

↑今回は上記サイト様の情報を参考にさせて頂きました。有用な情報ありがとうございます。

 

って事でこの続きは、該当するFDDが調達出来次第、改造にチャレンジする予定です。

まぁ、中古の98専用のFDDを購入すれば話は早いのですが、動作保証品はブログ執筆時点ではかなりの高額(15000円~)ですし、ジャンカーとしては負けた気がするのでそれは最後の手段としましょう。

今回はここまで。では、また次回。

Author: Naokit

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