ファミリーベーシックの接触が悪くなった
以前に何度かこのブログでも取り上げた事のあるファミコンソフト、”ファミリーベーシック”のカートリッジが最近頻繁に接触不良を起こすようになりました。
電源を入れても数回に一回は画面が真っ白になり、ROMカートリッジをうまく読み込めてないような感じです。
一応ファミリーベーシック知らない方のために説明しておくと、このソフトはファミコン初期に発売されたもので専用キーボードを接続することによって、ファミコン上で簡易的なBASICプログラムを組んでゲーム等が作成できるという非常にニッチなファミコン周辺機器です。
↓(参考)過去のファミリーベーシック関係のブログ記事
元々、問題が多いカートリッジ仕様
(前面)
(背面)
まず、ファミリーベーシックのカートリッジの両面はこんな感じです。背面に単3電池2本をセットする事が出来、前面のスイッチを切り替えることにより内部にプログラミングデータを保持することができるという仕様。
まぁ、まだボタン電池によるバッテリーバックアップ等普及していなかったファミコン黎明期のカートリッジですので、こういう方法になったのだと思います。
しかし、このカートリッジ仕様は実はかなり曲者で、ただでさえ通常よりかなり背の高いカートリッジの上、その上部に重い単3電池2本をセットするという非常に不安定な重心レイアウトになっているのに加え、データセーブ時にカートリッジに衝撃を与えないようにかなり繊細なスイッチ操作を要求されるという子供にとってはキツイ仕様。
子供の頃、親戚のお兄ちゃんがこのファミリーベーシックで数日かけて雑誌に掲載されていた長文のプログラムを打ち終えた後、このスイッチ切り替え時にちょっとした不注意でカートリッジに衝撃を与えてしまい、データが一瞬で消失する瞬間を目にし、発狂し暴れまくる親戚のお兄ちゃんを横目に”諸行無常”を実体験で経験するという貴重な体験をしたのもいい思い出です。
カートリッジを分解してみる
このカートリッジは特殊な形状をしているためか、他のファミコンカートリッジとは違い背面に2か所のプラスネジがありそのネジを外すだけで内部に簡単にアクセスできます。
折角分解したので、ここでちょっと記念撮影。
(基板前面)
(基板背面)
撮影時に念のため、基板上に目視できる異常が無いか確認しましたが特に異常なし。
端子も特に大きなサビや汚れは無いのですが、念のため綿棒で清掃後、接点復活剤を塗ってみます。
通常はこれで直るかと思われましたが、カートリッジを組み直してファミコンに接続するもあまり改善は見られず。まだ接触が悪い感じです。
よく見ると各端子に汚れではない筋が全体的にあります。おそらく端子が摩耗して削れてしまっているようです。おそらくこれが原因のようですね。
HBの鉛筆で基板パターン修復
ここでHBの鉛筆を用意。ご存じの方も多いと思いますが基板パターンの簡単な修復は鉛筆で行えます。
鉛筆の芯に含まれる炭素に通電効果がありますのでそれを利用します。
実は5年ほど前にも似たような症例のゲームボーイカラーのボタン接触不良を鉛筆で修理した事もあります。
↓(参考)関連する記事
端子類の基板パターンの上を一つ一つ鉛筆でなぞっていきます。端子一個一個を上下方向にはみ出さないように塗っていきます。左右方向に塗ると隣り合う端子が導通を起こし、回路的にショートする可能性があるので注意しましょう。鉛筆の粉が大量に付き過ぎた場合は後でエアダスター等で吹き飛ばしておきましょう。この方法は経験的に意外に効果があります。
無事起動するようになった
結果は無事起動するようになりました。何度か挿し直してテストしましたがほぼ毎回つくようになりました。
永続的な効果は期待できないかもしれませんが、とりあえず無事起動するようになったので結果オーライです。
*真似される場合は、あくまで自己責任でお願いします。