手軽なUSB給電でファミコンをプレイしよう – 昇圧DC/DCコンバータ –

ちょっと特殊な元祖ファミコンのACアダプタ

上の写真はご存じファミコン(及びスーパーファミコン)のACアダプタ。レトロゲーム好きの人なら所有している人も多いと思います。

ハードオフでも比較的手に入れやすく、近年のレトロゲームブームで互換品のACアダプタも普通に売っています。

さて、このACアダプタを詳しく見ていきましょう。

ACアダプタに書かれている仕様表を見ると、

出力: 10V 860mA

プラグ極性:センターマイナス

と記載されています。この10Vという電圧も比較的珍しいのですが(通常のACアダプタは1.5Vの倍数の規格のものが多い)、プラグ極性がセンターマイナスというのも注意したい所。一般的なプラグとプラスマイナスの極性が逆なんですね。

小さい頃にファミコンのACアダプタを無くし、ファミコンしたさに家にある適当なACアダプタを見つけ、プラグがたまたま合うので繋いだらこの極性違いでファミコンを壊してしまったという人も世の中にはいるかも知れません。

こういう若干特殊な仕様は、もしかしたら任天堂がACアダプタを他社製のものを流用させないようにした意図があったのかも知れませんね。(まぁ、普通はそうでしょう。)

ファミコンのACアダプタはトランス式

さて、このファミコンのACアダプタですが変換の方式はトランス式です。(現在主流のACアダプタはスイッチング式が多い)

トランス式は回路がシンプルでノイズが少ないという利点がありますが、やけに大きく重いです幼少期に足に落としたりして悶絶した人も多いでしょう

また、テスターで電圧を測ると、定格は10Vの表記なのに15V近く出ています

ただ、これは壊れているのではなく、トランス式のACアダプタは専用の回路に繋いだ時に定格の電圧が出るように設計されているので、テスター等に無負荷状態で繋ぐとおおむね1.5倍程度の電圧出力になるといわれています。

中学生位の頃に初めてテスターを買ってもらい、何気なくファミコンのACアダプタの電圧を測っていた時にはこういう知識が無くファミコンのACアダプタかテスターが壊れているのかと思って不思議に思っていた事があります。

手軽なACアダプタが欲しい

前述のようにちょっと特殊なファミコンのACアダプタですが、もっと手軽に電源供出来ないか考えましょう。

手軽な電源供給方法と言えば、真っ先に思いつくのはなんといってもUSB給電でしょう。最近はちょっとした雑貨でもUSBで給電できるものが非常に多いですよね。

そういや数年前に出てヒットしたミニファミコン(ニンテンド―クラシックミニファミコン)の電源供給方法もUSBでしたね。

用意するもの

・・・って事でネットでポチりました。

順番に見ていきましょう。

 

1、2.1φDCプラグケーブル

ファミコンのDCプラグ径は外径5.5mm内径2.1mmのポピュラーなものなので比較的簡単に手に入ります。自分は10本入りで250円位のものを買いました。

 

2、昇圧DC/DCコンバータ

入力した電圧(2V-24V)を任意の電圧(5V-28V)へ昇圧するコンバーターです。5個で600円程。これはいろいろと応用できそうな電子パーツですので何個か持っておいて損は無いでしょう。

回路右側の方にマイクロUSBの入力端子があり、簡単にUSBケーブルから5Vの入力が行えます。

3、家に転がっていたマイクロUSBケーブル

先ほどの”昇圧DC/DCコンバータ”に繋ぐマイクロUSBケーブルです。

どこの家でも数本は転がっているのではないでしょうか。

組み立てはとっても簡単

先ほどの”昇圧DC/DCコンバータ”の出力側端子にDCプラグケーブルをハンダで取り付けていきます。

ここで重要な注意が一つ。

前述の通りファミコンはちょっと特殊なセンタープラス仕様なので、ケーブルのプラスとマイナスを逆に繋がないといけません。つまり

昇圧DC/DCコンバータのプラス出力側 → DCプラグケーブルのマイナス側のケーブル(黒色)

昇圧DC/DCコンバータのマイナス出力側 → DCプラグケーブルのプラス側のケーブル(赤色)

という風に繋ぎます。

後は入力側にマイクロUSBケーブルを繋げばとりあえず完成です!

とても簡単ですね。

(今回の画像では行っていませんが、ハンダ接続部は傷みやすく断線しやすいので完成後は周辺をテープなどで巻いて保護しておいた方が良いと思います。)

出力電圧を調整する

回路が出来上がったらテスターで出力電圧を測りながら10V出力になる様に調整して行きましょう。

”昇圧DC/DCコンバータ”の横にあるつまみをマイナスドライバーで左右に回転させながら電圧を調整していきます。

このつまみはかなりの回数回転できますので細かい微調整が可能。

ちなみにここでは詳細な説明は割愛しますが、この手の電圧変換作業は当然ながら電圧を上げれば上げる程、電流量は必然的に元の入力する電流量より減少するので出力電流量不足にならないように入力する電流量には注意しましょう。

(電圧を2倍に昇圧すると、電流量は回路側のロスも含めると入力時の半分以下になります。つまり電流量は昇圧量に反比例します。)

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ファミコン実機に繋げてテスト

電圧調整後、ファミコン実機に繋いでテストしてみた所、無事にファミコンが遊べました!

これでとりあえずデカくて重いACアダプタが必要なくなったので何かと便利です。しかもテレビ側にUSB端子があれば、そこから直接電源を取る事も可能で配線もスッキリする可能性がありますね。

USB電源アダプタは一般的な1A出力程度のものでもファミコンは一応起動しましたが、念のため2A出力以上のものを使用した方が安心でしょう。

(ちなみに500mAタイプのものだと電流量不足で起動しませんでした)

もちろんモバイルバッテリーでも、動作は可能ですのでいろいろと応用が利きそうですね。

※今回作成した昇圧DC/DCコンバータによる電源ケーブルはスーパーファミコンでも問題なく使用可能です。

 

追記

↓後日、昇圧コンバータを使用せずにダイレクトに電源供給できるように更に改良しました。

後期型ファミコンをUSB電源化してみた

Author: Naokit

3 thoughts on “手軽なUSB給電でファミコンをプレイしよう – 昇圧DC/DCコンバータ –

  1. はじめまして
    ファミコンは10V ACアダプタから三端子レギュレータで5Vに変換して電源供給しているので、MicroUSBメス端子とコンデンサを購入してレギュレータを取り外し直接5V電圧をMicroUSB端子から供給できるようにしたほうが、部品代が安く済み消費電力も少なくて済みます。(500mAでもギリギリ動く消費電力)
    https://bcc.hatenablog.com/entry/2019/03/26/213655

  2. コメントありがとうございます。なるほど、内部的には5Vで駆動しているのですね。それならば確かにUSBの5Vから直接電源を取った方がロスも少なく効率が良いですね。有益な情報ありがとうございます。BCC様のURLリンクも拝見させて頂き勉強になりました。今後の改造の参考にさせて頂きたいと思います。

  3. RCA出力改造にしてRF基盤を外してメイン基盤の方にUSBの出力を入力できるように配線すればわざわざDCDCコンバーターを使わなくてもいけますよ。
    写真を見るに後期型ですので元々電源スイッチが繋がっている所をリード線で直結させて代わりにUSB電源の+側と本体基盤の間につなげばオンオフもできます。
    RF基盤の消費電力が減る分5V1Aのアダプタでも使えるそうな。

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