前回のブログでも曖昧な宣言をしていましたが、時間の空いたときに重い腰を上げて以前ハードオフで買って放置していたジャンク品のゲームウォッチの液晶画面の修理にチャレンジしてみました。
ゲームウォッチの不具合部分
これが、問題のゲームウォッチのドンキーコング。今から37年程前の1982年の6月3日の発売とかなりの年季の入った任天堂のゲーム機です。
問題の液晶部分。電池を入れてない状態のそれぞれ上下の液晶画面の写真ですが、上の液晶は上部に、下の液晶は中心部に目立つ黒ヤケがあります。特に上部の黒ヤケが酷いです。
ゲームは一応このままでも出来るのですが、やはり見にくいので今後の資料として大事に使っていけるようきちんと修理してやりたいと思います。
ゲームウォッチを分解していく
まずは上部の画面から修理していきましょう。
ネジは特殊なものではなく普通の精密マイナスドライバーでOKです。どんどんネジを外していきます。
上部の液晶部を押さえている金属製の板を緩めると、
下画面部と分離できます。
上部の画面部がうまく外れました。
ゲームウォッチの液晶部分は5層に分かれている
このゲームウォッチの液晶部は表面部から5つの階層に分かれています。
上の表面部から順に
1、偏光板(1)(今回は交換せず)
2、背景フィルム(1)
3、液晶ガラス
4、背景フィルム(2)
5、反射板 + 偏光板(2)
となっています。今回交換のターゲットは
5番目の
コイツです。この部分の変色が先ほどの液晶の黒ずみの原因となっています。
この部品はネットで情報を調べてみたところ、反射板と偏光板が接着されて一つになったものだそうです。
反射板+偏光板を自作する
これを自作していきます。
用意するものは、ジュラルミンフィニッシュシールと、前回のワンダースワン修理でも使用した偏光板の2つ。
鉛筆でオリジナルの反射板をジュラルミンシールに転写して切り取ります。
偏光板を切り抜く時は角度に注意
次に、その形に合わせて偏光板を切り抜きます。
ここで注意ですが、切り抜く偏光板は必ず45度の角度を付けて切り抜きます。平行方向に切り抜くと、画面表示が真っ暗になってしまいます!(今回使用した偏光板以外のものを使用する場合はこの限りではありません)
最終的にこんな感じになりました。面倒なので偏光板の方は左右のケースに固定する出っ張り部は省略し、長方形状に切り抜きました。これで上部の部品は完成。
下部の画面部品も同様に交換
同様に今度は下部の画面部品を取り出します。下部の画面も上部と同様に5つのフィルムの層の部分に分かれていますが、4番、5番部のフィルムは液晶ガラス部分の下の隙間に挟まれているので、細いマイナスドライバー等で横から押してスライドさせ取り出します。
取り出す途中でCPU(LSI?)と思われる部品がお目見え。記念に撮影しておきましたw
商品型番である”DK-52”の刻印がされてありますね。
ちなみに下部の画面の”反射板+偏光板”部分はこんな感じに変色していました。
あとはこれを”型”として先ほどと同じように、反射板と偏光板を自作していきます。
自作した部品を戻して組み直していきます。
交換後はキレイな表示に!
組み上げ後、ドキドキしながら電池を入れるといい感じに表示されています!
上画面・下画面とも黒ズミが無くなりこんなにくっきりとキレイに表示されるようになりました~。
この機種は日本のゲーム史の歴史に置いても貴重な機種だと思いますので、これからも大事に保管して行こうと思います。
後は裏の電池ブタがあれば完璧なのですが・・・・。それはまた今後の課題にしておきます。
追記
↓後日、電池ブタ(互換品)を頂きレジンで複製してみました。
偏向板の修理は私も経験が在りますが、反射板に付いては無知なので、ご教授願えませんか?液晶表面にジュラルミンフィニッシュを、張って液晶表示が見られるのでしょうか?光を、反射するだけで透過しない様に思うのですが、裏面に反射板が有るのは解りますが、反射型液晶が理解出来ないので、ご教授出来ませんか?