エミュレータって?
今さらですが、”エミュレーター”とは特定の機械用に作成されたOSやソフトウェアを、仕様の違う別のコンピューターで主にソフトウェア的に模倣して動作させる技術の事です。
今回の記事の内容は、分かりやすく言えばPS2用のゲームをパソコン上でこのエミュレーターを使って動かしちゃおうという事です。
巷ではPS5が昨年末に発売されて、PS2は今となっては既にレトロゲーム化扱いされている場合もありますが、自分の中ではPS2が発売された時のあまりの高性能さに驚いた記憶がありますので思い出深い機種でもあります。
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10数年程前はあまり実用的ではなかった
さてPS2エミュレーターといえば昔から定番のPCSX2が有名です。
15年以上前から存在していると思いますが、当時はエミュレーター自身の完成度も低くまだまだ未熟な状態であり、パソコンのハードウェア性能も今と比べるとかなり劣っていました。そのためまともに動作するゲームもごく僅かで、特に3Dゲーム等では秒間数フレーム程しか出ずほとんど遊べる状態ではなかったため、私Naokitも当時興味本位で数回試したぐらいで長らく使用していませんでした。
ただ いつの頃からか、このエミュレーターも度重なるアップデートでデュアルコアやマルチスレッドに対応するようになり、パフォーマンスが大幅に向上しかなり使えるとの噂を数年前から聞いていたので、今回久しぶりに試してみることにしました。
(↑PS2用HDMI変換アダプタ)
まずは実機からBIOSを抜出し
このエミュレータを使用するためには、PS2実機のBIOSが必要です。
BIOSとはコンピューター内にあらかじめ組み込まれている、コンピュータが動作するのに必要な最低限のプログラム群の事ですね。ファームウェアとほぼ同義です。
幸い我が家にはPS2実機が数台転がっていますのでその点は問題なし。
BIOSの抜き出しには様々な方法がありますが、自分はPS3用のPS2メモリーカードアダプターを所持しているので以下のサイト様の1番の記事を参考に、まずメモカブート用メモリーカードを作成し、PS2をメモカブートしその後USBメモリにBIOSを抜き出しました。
PCにPCSX2をインストールして各種設定
PCSX2をインストール後、抜き出したBIOSデータをPCSX2のBIOSフォルダに入れます。
BIOS設定画面でリスト更新をして無事BIOSが認識されていればOKです。
後はお好みでコントローラー設定等をしておけばよいでしょう。
検証するゲームと検証用PC
では、今回はPS2の以下のゲームを遊んでみたい思います。
左から”大神”、”ドラゴンクエスト8”、”バイオハザード4”の3本。いずれもPS2を代表する超名作ですね。
ちなみに今回使用するPCは、
以前にもこのブログで紹介したことのある超コンパクトPCのm75q-1です。ちなみにGPUはCPU内蔵のVega11です。
(↑今回、使用したコンパクトPCについての以前のブログ記事はこちら)
我が家には、他にももっとハイスペックなゲーミング用PCがあるのですが、それでは快適に動作するのは当たり前だろうと思われるので今回はあくまでこのセールで3万円前後で買ったPCでの動作で評価します。(とは言っても、値段の割にはかなりの良スペックですが。)また、この機種の性能をフルに発揮するためACアダプタは135Wの大容量タイプを使用しました。
なお、このPCにはDVDドライブが無いので、外付けDVDドライブを接続しても良いのですが、利便性のためあらかじめ他のPCで上記のPS2のゲームをリッピングしたISOイメージデータを使用します。読み込み速度の向上も期待できますしね。
ゲームを起動させて実際に遊んで見る
ではエミュレータを起動し、実際に各ゲームを起動させて、遊んで見ます。
大神
難なく起動。
センス抜群の水墨画のような映像が特徴の3D和風RPG。主人公が神であるワンちゃん(正確には狼(オオカミ))であるという点も特徴的なゲームです。当時から評価は高く、近年はPCをはじめ様々なプラットフォームに移植されていますよね。まさに”神”ゲーです。
実機以上の1920*1080の解像度設定(ウィンドウ表示)で遊んでもほぼ問題なし。
独特のグラフィックなので処理が重いのかと思いましたが、それは杞憂でほぼ60fpsで安定して動作します。
数分遊んで見ましたが、画面バグ等もありませんでした。しかし、このゲームの世界観やグラフィックは今見ても素晴らしい。
ドラゴンクエスト8
問題なく起動。
数分間遊んで見ましたが、実機以上の1920*1080の解像度設定(ウィンドウ表示)で遊んでもほぼ問題なし。
このゲームはアニメのようなトゥーンレンダリングという映像技術が使用されているのですが、特に問題なくこちらもほぼ60fpsで動作しています。
バイオハザード4
上記2本と同様に実機以上の1920*1080の解像度設定(ウィンドウ表示)で遊んでもほぼ問題なし。
想像以上に快適動作
上記3本のゲームを遊んで見たのですが、結論から言うと特に文句のつけようがありませんでした。
本音を言うともう少しアラを探して記事にしたかったのですが、想像以上に快適に動作しているので拍子抜けしました。
実機以上に解像度をあげて、しかも内蔵グラフィックでここまで動作するのであれば、もはや実機より快適だと言わざるを得ません。
まぁ、各ゲームはそれぞれ数分づつぐらいしかテストプレイしていませんので、長時間遊べばもしかしたらバグや不具合等が出る可能性もありますので実機無しでもOKとまでは言いませんが、それにしてもこのエミュレータの進化に驚きです。
名作が多いPS2のゲームがお手軽にPCで遊べるようになった事に素直にこのエミュレーターの開発者チームに感謝したいと思います。