液晶画面の黒ずみ
最近では、ゲームボーイの液晶画面の黒ずみ化はおなじみの定番症状ですが、我が家のゲームボーイポケットの個体にも症状が出てきました。
実はこの症状は1年程前から気付いていたのですが、最近かなり目立つようになってきたので重い腰を上げて修理する事にしました。
今回の原因は偏光板では無い?
同様の修理はこのブログ上で何度も行っているので、分解過程の方は省略しますが今回はいつもと様子が違うようです。
この手の症状は、多くの場合液晶の表面に貼ってある”偏光板の経年劣化”によるビネガー化が原因ですが、今回は偏光板を除去して、液晶表面を磨いてもほとんど黒ずみが改善しません。
どうやら、今回は”偏光板”ではなく、液晶の裏側に貼ってある”反射板”の劣化による変色が原因のようです。
(参考画像:液晶の構造)
↓ ちなみに”偏光板”交換の方の過去修理記事はコチラ。
反射板の交換は難易度が高い
さて、困りました。偏光板の除去なら液晶の表側なので比較的作業がしやすいのですが、反射板の除去はかなり難易度が高めなのです。その訳は液晶裏側にあるこのフラットケーブル。反射板はこのフラットケーブルの下にある白いシートなのですが、このシートを除去する際に、物理的にこのケーブルが邪魔になるのです。
反射板を剥がす
作業の難易度に嘆いていても症状は改善しないので早速修理開始です。まずはフラットケーブルに貼られている謎の数字が書かれているテープを剥がします。
次に問題の反射板のシートを剥がしていきます。剥がした箇所に液晶裏面にこびり付いている銀色のモノが反射板ですね。
反射板のシートを剥がした直後。かなり多くの銀色の反射板部が液晶側に残ってしまっています。これを全部除去しなければなりません。
ちなみにこの状態で液晶を表面からみるとこんな感じ。液晶裏に残っている銀色の部分がちょうど黒ずみの部分になっています。
また、これから行う長時間の作業でフラットケーブルに与えるダメージ最小限にするためフラットケーブルにはあらかじめ保護用に各所に養生テープを貼って断線を防止しておきましょう。
地獄の作業
さて、ここからが地獄の作業です。
このこびり付いている反射板部分を無水エタノール等を塗りながらプラスチックヘラ等を使い少しずつ全て除去していかなければなりません。そして、この”反射板”が前面の偏光板除去作業と同様にとにかく剥がしづらいのです。
もちろんフラットケーブルになるべくダメージを与えないように、最新の注意を払いながら数時間に渡る作業になりますのでかなり精神的に萎えます。
苦行を乗り越え
約4時間の苦行を終え、すっかり辺りも暗くなってきた頃に作業終了。反射板を全除去し、すっかり液晶が透明になりました。
あー、疲れた。
では、動作テスト。電源を入れてゲームが起動した状態ですが、このままでは画面は一切見えません。
まずは反射板の作成。反射板の代用としては超有名な”ジュラルミンフィニッシュ”を液晶画面サイズに切り取り出します。
切り出したジュラルミンフィニッシュを反射板があった位置にセットします。
では電源を入れ再テスト。
この状態でさらに偏光板を液晶表面にかざすと・・・・ハイ、画面が表示されました!
いい感じです。やりましたーっ。
修理完了!
最後にケースを組み上げて無事修理完了。
数時間の作業は精神的にくるものがありましたが、苦行を乗り越え無事動作した時の喜びは一入(ひとしお)ですね。修理品にも愛着が湧きますし、これがジャンク修理の醍醐味でもありますね。
って事で今回はここまで。では、また。
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