親から預かった故障したテープレコーダ
最近は個人的にはカセットテープを使う機会はめっきりというか、全く無くなってしまいましたが、アナログな自分の親世代ではまだまだ現役だったりします。
それで、今回預かったのは、上の写真のテープレコーダ(以下テレコ)。ソニーの”TCM-400”という機種です。
故障の症状は再生時に音量調整が効かず常に爆音になるとの事。
イヤホンで聞いても音量調整が効かず、爆音状態なので故障はボリューム部にあると推測できます。
なぜかこの機種の値段が高騰中
最初は、”今時テレコなんて、激安なんだから捨てて買いかえればいいじゃん”、とも思っていたのですが、ネットでふと価格を見てビックリ。この機種の値段が異様に高騰しています。(このブログ執筆時の9月下旬時点)
中古でも平均6千円~2万5円位で、新品ともなると中には7万円近くを付けている店もありました。(このブログ執筆時の9月下旬頃の相場)
ちなみに、いつ親がこの機種を買ったのかは忘れましたが(多分10年以上前)、当時は4~5千円位で普通に買えてた気がします。
どうやら、今時は大手国内メーカーではテレコ製造は撤退しているため、逆にプレミア化しているようです。
しかも、この機種特有の機能である”テープの再生速度調整機能”や音質を落として長時間録音する”倍速の録音機能”も何気に珍しいようです。
捨てるのはもったいないので直そう
上記の理由で、捨てて買い替えるのは非常に惜しいので直してみることにしました。
簡単に直ればラッキーですしね。
まずは分解
後ろのネジを4か所外せば裏蓋が外せます。
電池は必ず抜いておきましょう。
前面部のスピーカやマイクとつながるフラットケーブルを抜きましょう。ラッチを外すのを忘れずに。
ひっくり返して、今度はカセット挿入部にある3つの小さなネジを外します。
これでケース部から基盤と、カセット駆動部が外れます。かなり外しにくいですが。
基盤と、カセット駆動部は2つのネジで止まっています(基板上に矢印の刻印があり)のでお好みで外します。
自分の場合はボリューム部の修理だったので作業しやすいように、一応外しました。ベルト交換等の時は必ず外さないと内部にアクセスできません。
問題のあると思われるボリューム部。見た目は特に問題なしですね。
しかし代用できる同サイズのボリュームが手配できるかなぁ。
困った時の接点復活剤
ここで、ちょっとダメ元で”困った時の接点復活剤”を試してみました。ボリューム部の接点部分の隙間に液剤を吹き込んで、ボリュームをグリグリと動かし馴染ませてみます。
まぁ、もともと大音量で音は出ており接点不良とはまた違うので、効果は無いだろうなぁと思っていたのですが、仮組テストしてみると、なんとこれだけであっさり直りました。
結果的に直ったので、あれこれ推測で話すのもなんですが、おそらく内部のボリューム部で汚れなどにより抵抗を通らずにショートしていたものが、接点復活剤によって汚れが取れ、正しく抵抗を通る様になりボリュームが効くようになったのだと推測しています。
しかし恐るべし接点復活剤。何度この溶剤に助けられた事か・・・
組み上げていくが・・・
接点復活剤で、あっさり直ったので組み直しを黙々と行っていきます。
組み上げ終わって、早速テスト用のテープを入れて改めて再生ボタンを押しましたが・・・・なぜか音が出ません。
その上電源ランプも付かず、良く見るとテープもまわりません。
原因は単純だった
また、原因究明のためバラしてみます。
そこで、原因が判明。組み上げ時に基盤と操作部を繋ぐコードが組み上げ時の何らかの負荷によって赤い線が1本断線していました。写真を撮り忘れたのですが、この線は非常に線が短く作業がやり辛かったのですが、どうにか切れている線同士をハンダで接着。
再び分解したついでにテープのヘッド部分もアルコールを付け綿棒で丁寧に磨いておきます。アルコールはゴムを腐食させるのでゴム部分には使わないようにしましょう。
その後、慎重にケースを組み上げ直しました。
再組み直しにてやっと修理完了
再組み直し後は動作良好。音量もちゃんと好みの大きさに調整できます。
これで今回は修理完了。親に無事直った事を伝えテレコを返しましたが、今後カセットテープ再生環境がどんどん減っていくことを考えると、自分も何かカセットテープ再生機を一つぐらい持っておいた方が良い気がしてきました。
それまで、全く興味が無かった分野ですが、一度直したりしていろいろ弄っていると愛着が沸くのか不思議と興味が沸いてくるものですね~。